畳ベッドは床面が畳になっているベッドで、日本ならではのインテリア・アイテムです。

最近はご年配の方だけでなく、若い人たちにも注目されるようになってきました。
そこで今回は、畳ベッドに関心のある方を対象に、購入前に知っておきたい畳ベッドのメリットとデメリットについてお話したいと思います。
畳ベッドとは
一般的なベッドは、フレームにマットレスを乗せて使いますが、畳ベッドはフレーム枠内に畳をはめ込んで使用します。
畳には「フィトンチッド」と呼ばれる芳香成分が含まれていて、この成分を吸い込むとリラックス効果があると言われています。
そして、ストレスホルモンの減少やガンを防ぐNK細胞の活性化などの効果が得られるという報告もあります。
「畳の持つ香りに癒される」というのは、こうした理由に依るようです。

古くから日本人は畳の部屋に布団を敷いて寝ていましたので、自然と畳の香りや感触に安心感を覚えるのでしょう。
洋風テイストを取り入れる傾向が強まってからベッドを使う人が増えましたが、最近はそれも見直されてきています。



畳ベッドのメリット
それでは、畳ベッドの魅力をもう少し深く探ってみましょう。
香りによる癒やし効果
1つ目は、畳の香りを感じられることです。
家に帰ってきたときに、畳の香りをかいでホッとしたことはありませんか?
畳から発せられる香りは、その原料となるい草の香りです。

い草にはフィトンチッドのほかに、他の香りを引きたてるジヒドロアクチニジオリドや、リラクゼーションに役立つαーシペロン、バニリン等の芳香成分が含まれています。

ホコリによる影響を防げる
ベッドは床面が高い位置にあるので、ホコリが舞い上がっても影響を受けにくいというメリットがあります。
人によっては、ホコリを吸い込んでしまうと咳が出るなど、健康被害が出ることがあります。

また、床に直接布団を敷いて寝るよりも、床からの冷えを軽減できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
腰への負担を軽減
足腰が弱くなってきたり、腰痛を抱えていたりすると、布団よりもベッドで寝起きしたほうが楽です。
床とベッドとの間に適度な高さがあるので、足腰に負担をかけずにベッドから起き上がることができます。
また、床に布団を敷いて寝ていると、毎日布団を上げ下げする必要が出てきます。
布団は結構重たいので、その上げ下ろしは、足腰に大きな負担がかかる作業となります。
その点、ベッドなら腰をかがめずに布団を上げ下げできます。
和のテイストを取り入れられる
建売住宅でもマンションでも、畳よりもフローリングが占める割合が多い家が増えてきました。
とはいえ、畳は日本人にとって安らぎを与えてくれる存在です。
和室がない家でも、畳ベッドを取り入れることで和の雰囲気を醸し出せます。

和室として使える
畳ベッドを寝るスペースとして使うだけでなく、小上がりスペースとして活用できます。
布団を下ろしてしまえば、和室のような感覚で使うことができるでしょう。
お手入れが楽
一般的なベッドに比べて、畳ベッドはお手入れがしやすいのも特徴の1つです。
人間は寝ているときに汗をかくので、定期的に寝具をお手入れしないとカビが発生しやすくなります。
一般的なベッドでは、マットレスの上にシーツなどを敷いて寝るのがほとんどです。
一方、畳ベッドは床面の上に敷き布団を敷いて寝ます。
マットレスを天日干しするのは難しいですが、敷き布団ならベランダなどで気軽に干すことができます。
しかも、畳は一般的なマットレスよりも湿気がたまりにくいので、カビの発生リスクが低いと考えられます。

また、畳ベッドは結露対策にも効果的です。
床に直接布団を敷いて寝ている場合、気温の低い時期は寝ている人の体温と床の温度差が大きくなり、布団と床が接している部分に結露が生じてしまうことがあります。
そして、その結露はカビの原因にもなります。
ベッドは、床から離れているので温度差の影響を受けにくく、結露が起こりにくいのです。
畳ベッドのデメリット
魅力いっぱいの畳ベッドですが、デメリットもいくつかあります。
デメリットについてもよく理解した上で、購入するかどうかを決めるようにしましょう。
硬さが気になる
ベッドを買うときに、マットレスの硬さにこだわって商品を選ぶ人も多いでしょう。

畳は、硬めのマットレスよりも“硬い”のが一般的で、基本的には畳の上に敷き布団を敷く必要があります。
ですので、「床に布団を敷いて寝ると体が痛くなる」「柔らかめのマットレスが好み」いう方には、畳ベッドは向いていないかもしれません。

お部屋によっては狭くなることも
布団と違ってベッドは、フレームを動かすことができません。
そのため、ベッドが部屋を専有してしまい狭く感じることがあります。
「ベッドで寝たいけれど、お部屋が狭くなってしまう」ようでしたら、ベッドを有効活用することを検討してみましょう。
たとえば、
- 起きている時間帯は布団を下ろして、小上がり和室として使用する。
- 収納機能付きのタイプにして、収納家具を減らす。
といったアイデアが考えられます。

日焼けしてしまう
新しい畳は香りも強く色も青々としていますが、時間の経過とともに茶色っぽくなってきます。
これは、紫外線が影響しています。

カビ対策のためには、ときどき天日干しするのが理想ですが、直射日光にあててしまうと変色が進むので、陰干しすることをおすすめします。
香りを不快に感じる人も
畳の香りを心地良く感じる人は多いかと思いますが、中には苦手と感じる方もいらっしゃるでしょう。
畳の香りをかいで気分が悪くなるような場合は、畳ベッドは使わないほうがよいでしょう。
湿気対策は必要
マットレスよりも湿気に強い畳ですが、湿気対策が不要というわけではありません。

カビが生えたままにしておくと、アレルギーなどの健康被害の原因となるので、ときには、畳を上げて風を通しましょう。
落下リスクがある
畳ベッドに限ったことではありませんが、ベッドに寝ると落下するリスクが出てきます。
寝相が悪くてベッドから落ちたことがある人は、落下防止ガードを使ってみましょう。
畳ベッドが向いている人
畳ベッドのメリット、デメリットを理解した上で、畳ベッドを使うのに向いている人を考えてみました。
- 和のテイストが好きな人
- 限られたスペースを有効活用したい人
- 硬いところでも快適に眠れる人
自分に当てはまる点があれば、畳ベッドの購入を検討してみましょう。
畳ベッドが向かない人
畳ベッドが向かない人は、以下のような人です。
- 自宅のインテリアに畳が合わない
- 硬いマットレスが苦手
まとめ
畳ベッドのメリット、デメリットについて紹介してきました。
ベッドなどの大型家具は、快適に使用できるものでないと邪魔になってしまいます。
そこで、購入時には商品の特徴をよく理解した上で、購入するかどうかを考える必要があります。
畳ベッドが気になっている方は、畳ベッドが自分に合っているかどうかの判断に役立てていただければ幸いです。
→ 自分に合った畳ベッドを選ぼう!選び方のポイント